今日、旧知の大学の先生から、私に電話がかかってきた。
用件は、来期、入社内定したいた学生が「辞退」を申し出てきた、ということだ。
「ひょっとして」のようなものがあったので「やはり・・」と思った。
うすうす予見していたこととはいえ、さみしいものがある。
教授の話によると「本人もかなり悩んだし、私も、G3がいるから大丈夫」と説得したけれど、辞退になり申し訳ない、ということであった。
本人の理由は「土木の仕事は向いていない」ということだった。
土木の仕事に向き不向きがあるとすれば、土木分野そのものに向いている人は少ない、といいたい。
例えば、私など、いちばん向いていないと、今でも思っている。それでも、なんとか、ついてきてここまでこれた。
多分・・・・・・・・・・
①一人であること。
②県外であること。
・・・・という理由もあったのでは、と推察する。
それに加えて、建設分野の厳しさも背景にあるのかもしれない。
私は、面接のとき、こういった。
弊社土木部は、ひとことでいうと体育会系だと思う。
しかし、なじむことができれば仕事は覚える。先輩も、優秀なものばかりなので勉強になると思う。ついてこれれば、多分、優秀な技術者になれる。
横の連携もまとまりもいい。気に入れられたら面倒見もよすぎるぐらい、いい。
土木でいちばん必要なのは「やる気」で、そのつぎは人とコミュニケーションをとれること、この二つだと思う。技術はあとから、ついてくる。仕事に対する「姿勢」も、我々と一緒に仕事をすれば身につけられる。
社長も言った。
たしかに、部長のいうとおり、社員は素晴しい。おかげで、仕事も受注できている。
また、ウチは自由な雰囲気がある。何でもいえるし、何でも出来る雰囲気がある。
土木部は、まとまりがある過ぎるぐらい、ある。
本当なら、即戦力、中途採用もいいのでは、と言ったけれど、部長が、なかなか言うことをきかない。最初から育てるほうがいい、といって譲らない。新規採用にこだわる。
それだけ、自由に言えるし、発言もできる。・・・・というようなことを笑顔で話した。
この社長の発言を聞いてどのように思ったか。
「おもしろい」と感じてくれたか。
「あ、そうなのか」と落胆するか。
私は、面接の前後の雰囲気、相手の表情から、後者ではない、と踏んだ。
私は、新規採用にこだわっているわけではない。
ただ、安易に「今、不足しているから、雇おうか」という緊急避難的な雇用は本当じゃないと思う。
雇用する以上は、家族の一員になるようなものだ。(と私は思う)
雇う側も、雇われる側も、そういう意識みたいなものが必要だと思う。
ある程度、歳を重ねた人は(私も含めて)それなりに形が形成されている。この形が、会社や部署の雰囲気に合う、フレキシブルな思考の持ち主なら、いいかもしれない。
しかし、やはり、柔軟なのは、若い頃だ。 なので、若い世代にこだわるのである。鉄は熱いうちに打て、と言いふらされた言葉があるが、ある意味、いいところをついていると思う。
とにかく、新規入社はなくなった。
さて、、、、、、である。
困ったものである。
なんとかしないと、技術風土の継承ができなくなるし、やがては、元気もなくなる。
来期こそは、なんとかしたいものだ。
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