FC2ブログ
土木建設業に従事していますが、専門分野のことは少なくて、昭和のこと、故郷・徳島のこと、延岡のこと、雑多なことを自分の記録として日記代わりに書いています。St.3bの「がんサバイバー」でもあります。
 日々(いや、気のむくままに)読み書き
堤防のこと。
2010-09-06-Mon  CATEGORY: 建設
 午前5時30分起床。空模様は曇り。外気温は27度でした。 
 
 今朝は、炊きたてご飯、豆腐とワカメと玉ねぎと南瓜の味噌汁、烏賊の明太子和え、濃茶をいただきました。




五年前の今日、9月6日は、台風14号で延岡市内が水浸しになり、隣の諸塚町では深層崩壊が発生した日です。我が家も、床上60センチまで水に浸かりました。

 ということから、水防の話を書きます。

 


堤防の肩に「煙突」のようなものが立てられています。 川の裏側に向けて、おおむね50m間隔で設置されているようです。
排気管

拡大してみますと・・
排気管アップ



 これ、何でしょう。(笑)

   潜望鏡? 煙突? 観察孔? 何かの取り入れ口?



  答えは・・・・↓






 答えは、空気抜きの排気管です。

 この堤防は、平成9年9月の台風23号で大きな被災を受けた北川町で、激甚災害に指定されときに整備された堤防です。弊社も、このあたりで仕事をさせてもらっていました。

 ところで、堤防が決壊する原因には、水の浸透によるもの、水の流れで削られるもの、水が越えてくるもの、などがあります。

 なかでも堤防の上を水が越えると簡単に破壊されてしまいます。
 
  参考動画 越流による破堤シュミレーション → ここ

 堤防の天端を、増水した水が越える(越水といっています)と、堤防は、いとも簡単に破壊されてしまいます。(これを破堤といいます)


 通常の堤防は、水が堤防を越えることは想定されてないので、堤防の天端や堤防の裏側は、表側(川が流れている側)と比べて「ちゃち」な造りになっています。なので、堤防を水が越えると、水の勢いで堤防が崩壊し、流失したりします。
 そうなると、一挙に泥水がなだれ込み、人命財産に大きな被害をもたらします。

 でも、この写真の堤防は、越流してもいいように設計されています。水が越えることを許容しているのです。
こういう作り方を「越流堤」といいます。

 写真で見る限りは、どこにでもある、普通の堤防と同じです。でも、実は、かなり頑丈に造られています。表も裏も天端も、コンクリートやアスファルトですべて覆われて固められています。もしも、洪水が発生し、水があふれても壊れないように出来ているのです。
 
 はやくいうと、全身に鎧を着せたようになっています。でも、そのままにしておくと、美観的にも問題があるということで、土をかぶせて芝を生やしています。

 スーパーマンがズボンを履いてシャツを着ている、つまりクラークケントの姿をしているようなものなのです。

 でも、このままで増水すると、堤防の中の地下水もじょじょに上昇してきます。すると土中の空気の逃げ場が無くなるわけです。

 例えば、お風呂の中で、洗面器を逆さにして沈めて遊ぶと、洗面器の底に強い空気圧がかかります。そんな状態になるのです。

 空気の逃げ場がないと、せっかく頑丈に造ったはずの堤防が、内部から「ぽんっ!!」と破裂したり、堤防の天端が浮き上がるなど、自ら堤防が破れてしまい、ものの役には立たなくなるのではないかと考えたわけです。

 そこで、土の中の空気を逃がすための排気管を取り付けている、というわけです。

こういう形式の堤防は、全国でもそう多くはないと思いますが、土木技術のひとつです。



 
スポンサーサイト



ページトップへ  トラックバック0 コメント0
<< 2010/09 >>
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -


余白 Copyright © 2005  日々(いや、気のむくままに)読み書き. all rights reserved.