土木建設業に従事していますが、専門分野のことは少なくて、昭和のこと、故郷・徳島のこと、延岡のこと、雑多なことを自分の記録として日記代わりに書いています。St.3bの「がんサバイバー」でもあります。
 日々(いや、気のむくままに)読み書き
「二つめにかかる」から (その3) 父母のこと
2011-06-13-Mon  CATEGORY: 「二つめにかかる」から
 父の遺稿歌集「二つめにかかる」は目を通したことはあっても、ひとつひとつ丁寧に読んだことはあまりなかった。

 この頃になって、本棚から手元に場所を移して、時々、断片的に読んでいるのだが、これが、私にとっては、おもしろい。
 父・母の全く知らない若い頃のことが出ていたりする。

例えば、こういうのがある。
父が、木屋平の山奥から下りて貞光町に住む母をたずねたときの歌だ。

「大雨にけむれる谷を曲がり曲がり自動車(くるま)は町をまっしぐらなり」


 これは、木屋平村の山奥から、貞光町に行くときの車中の父だと思う。この、まっしぐら、というのがどことなくおかしい。当時、穴吹町と木屋平村には、すでに乗合バスが走っていたのかもしれない。穴吹駅で汽車に乗り換え貞光駅で降りる。およそ半日がかりの工程だ。

「ただ一度通りし露路のほのぐらし塀ごしに見ゆ二階の障子」


 多分、天神屋食堂と美馬生必の間の天神小路の薄暗い細道のことだ。塀も、障子もあった。どうやら、父は二度目の訪問らしい。

母の住む家に着く。

「戸をすこしあけて昼寝(ひるい)のひとなれや起こさずにしばし見まもりて佇つ」


 昼寝をしているのは、多分、母だ。訪れて「こんにちは」と挨拶しても、聞こえなくて、佇んでいる父の姿が想像できる。畳を「どんどん」と叩いて起こしたのだろうか。

「耳しひのひとの声音は幼にて弾けるごとく笑ふことあり」


 「耳しひ」とは聴覚障害者のこと。つまり、これが、私の母である。自分の声さえ聞こえない母の、弾けるように笑うは、いい。


 別の頁には、貞光から木屋平に帰るときのものもある。

「母と娘がふたり起き臥す家なれや庭踏みし時 鶏(かけろ)が鳴けり」


 短歌では、鶏のことを「かけろ」ともいうらしい。鶏を飼っていたようだ。娘とは、私の母。

「母と娘がわび住む家やそこばくの秋蚕(あきご)ねむれり 湯が沸いており」


秋蚕→晩夏から秋にかけて飼育するカイコ

 我が家は、元々、養蚕のために建てられて家だと聞いたことがある。母と娘が、現金収入として蚕を養っていたのか。


「狭き露地を耳聞かぬ娘に送られて往来(ゆきき)のしげき街道へ出づ」


 狭い露路とは、多分、この露地だと思う。人一人がやって通れる程度ではあるが、我が家から一宇街道に出るには、最短で出られることのできる露路だ。自分も、よく、この露路を通っていた。
 狭い露路


スポンサーサイト
ページトップへ  トラックバック0 コメント3
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
延岡日向門川高千穂のお店を紹介するサイト
【げなてん】を運営しています鴨林と申します。

宮崎県北エリアに縁のある人のブログ&Twitter!を掲載するコーナーがあります。もちろんですが無料です。

只今、延岡日向門川高千穂へ縁のある方のブログへお邪魔させていただき登録のお願いをしている次第です。

よろしかったらご登録いただけないでしょうか?

またブログにげなてんへのリンクを貼っていただけないでしょうか?

勝手なお願いなのですがこれから一生懸命サイトを活性化できるように努力しますのでよろしくお願いします。


よろしかったら一度覗いて見てください。

トップページ:http://www.genaten.jp/

ブログ登録ページ:http://www.genaten.jp/blogsyoukai.html

リンクについて:http://www.genaten.jp/linknituite.html
新発見!!
コメントななに | URL | 2011-06-16-Thu 16:00 [EDIT]
この隙間から東の山が見えることを、今になって知りました

ご両親の独身時代の様子が、映画でも見るように、その時の気持ちも含めて感じることができるって、うらやましいことです
コメントG3 | URL | 2011-06-16-Thu 18:29 [EDIT]
ななにさん。
 家と家の間に暗渠排水があり、その上を通行していました。東浦への近道です。
トラックバック
TB*URL
<< 2017/04 >>
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -


余白 Copyright © 2005  日々(いや、気のむくままに)読み書き. all rights reserved.