土木建設業に従事していますが、専門分野のことは少なくて、昭和のこと、故郷・徳島のこと、延岡のこと、雑多なことを自分の記録として日記代わりに書いています。St.3bの「がんサバイバー」でもあります。
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まつり
2009-10-19-Mon  CATEGORY: 昭和という時代
 かつて、まつりがあった。私には、祭ではなく「まつり」と書くほうが似合っている。
 秋には、各町内、各集落の氏神様をまつるために、みこしや山車が街中を練り歩いた。そして、「まつり」には、親戚が一同に会して、甘酒、五目寿司、団子、田楽、巻き寿司、煮しめを食べる。大人たちには酒が振舞われてにぎやかな一日を過した。

  「まつり」がある、という理由で学校も堂々と休むことが出来るほど、地域にとっては、大切な行事だったのである。子供たちは、もらった小遣いをポケットに氏神様の神社まで走る。境内には、いろいろな出店が出ている。夜になると、カーボナイトの明るさと奥の木立の暗闇のコントラストが幻想的な情景をかもしだしていた。

  「まつり」というのは地域社会において、何かの役割を果たしていた。

 でも、こういった催しはいつのまにか廃れてしまった。何故なのだろう。「まつり」よりももっと魅惑的なものを覚えたせいだろうか。「まつり」の役割が必要でなくなったからであろうか。そればかりではあるまい。

  或る人によると、まつりが無くなったのは明治39年の神社合祀令により神社仏閣が統合されたことが大きいという。神社合祀令というのは、神社ならどこでも生き残れるというのではなくて、古事記・日本書紀に記された神々を祀った神社、あるいは延喜式内社やそれに準ずる社を除き、民衆から信仰の厚かった産土神(うぶすなのかみがみ)を含むおびただしい数の神様が合祀の候補となり、多くの神社が廃止されたという。

  神社合祀は、国の経済政策、イデオロギー政策の一貫で、国から地方におろされていった。あの戦争に突入する背景として、神社合祀は必要であったのである。ここでも、経済と何かのトレードオフがあり、ほとんどの人は経済を選択したのではなかろうか。

  このとき、天才、南方熊楠(みなかたくまぐす)という人がただひとり反対を唱えた。

「…神社合祀は、第一に敬神思想を薄うし、第二、民の和融を妨げ、第三、地方の凋落を来たし、第四、人情風俗を害し、第五、愛郷心と愛国心を減じ、第六、治安、民利を損じ、第七、史蹟、古伝を亡ぼし、第八、学術上貴重の天然紀念物を滅却す」
 → 大火まさにおこり林野を焚くより。。。。。

  つまり、氏神様から心が離れてしまう、地域住民の争いごとが増える、地域社会の自律意識が衰亡する、人情風俗が薄くなり道徳が廃れる、地域を大切にする気持ちがなくなりひいては国を大事にする気持ちが無くなる、鎮守の森がなくなれば有益な鳥が居なくなり作物を荒らす害虫が増えたり自然環境が悪くなる、貴重な文化や伝統・歴史が失われる、学術的天然記念物貴重種が絶滅する・・・・というところだと思う。

  この南方熊楠の言葉、今の時代にも通ずるものがあるように思えてしかたがない。構造改革、神の見えざる手、勝ち組と負け組み、都市部と地方、格差社会、貧困、アメリカの真似、このようなことを書くと、勝ち組の人たちからは「バカけ」と思われるかもしらないが、どこか、いびつにゆがんでいるように思えるのである。

  日本には日本の「和、輪、環」のミームがある。何もかも、すべてアメリカみたいになろうとしても、無理なのである。いいところを取り寄せ、向いていないところは捨てる、そういう改革なら納得できないでもないが、今のままでは、かつての南方熊楠の予言どおりになるのでは、というような気がする。

  便利を取得する代償として、目に見えない大切なものをドンドンと失ってきて得た社会は、あまりいいものではなかったと、ぼちぼち、述懐と反省と批判の声が高まってきているようにも思える。

 そういうことに、期待を寄せたい。


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